Athens Olympic

女子マラソン野口みずき優勝。高橋尚子を外した陸連が、一番ほっとしたのではないか。代表選考には、いつも不可解なものがつきまとう。スポーツなんだから、ルールをはっきりさせれば問題は起きないはずなのに(ルール自体の問題は発生するにしろ)、見えないところで何か操作が行われているように感じさせるのは、どうにも納得いかない。勝ったからいいじゃないか、とはならない。マラソンファンのかなりの人は、高橋尚子でも余裕で優勝したんじゃないか、と考えているのではないか。レースは非常に面白かった。25kmでスパートした野口の勇気はすごいものだったし、ヌデレバがしだいに迫ってくるラスト10kmは、ホラー映画並のスリルだったし、スタジアム直前、10秒差になってからの野口の懸命の走りは、本当に感動的だった。マラソンは優勝者が一番疲れていないように見えることが多いが、ゴール直後、壁際で吐いていた野口を見て、その過酷さ、消耗の激しさを知った。何人もの選手がレース中に嘔吐し、世界記録保持者ラドクリフが36kmを越えたところで棄権した。今後、スタート時間等を考え直さないと、夏のマラソンで死人が出ることだってありうる。