ワールドカップ・アジア予選:イラン vs 日本

2-1[1-0,1-1]ハシェミアンハシェミアン/福西
予選突破だけを考えるなら、この敗戦がそれほど大きな痛手になるとは思えない。1位2位を争うのは、まずイランと日本だから、次のホームできっちり勝てば問題ない。バーレーンが勝ち点を伸ばしているが、それほど神経質になる必要もない。まだ直接対決が2試合あるのだから、簡単に逆転できる。では、問題は何か?試合後のキノコの発言でも明らかなように、ジーコと選手(特にヨーロッパ組と思われる)の間に、コミュニケーションがうまくいっていないように感じられることだ。逆に、よく言われるような、ギリギリに招集されたことによる選手間のコミュニケーション、連携には、問題はないように思える。この敗戦が危機意識を高め、すぐに解決されそうだ。そういう意味では、ここで負けたのはよかったのかもしれない。だが監督と選手の間で、試合運び、試合に対するビジョンが違うというのは、かなり気になる。戦術以前に、どういう展開になったらどうするのか。どういう選手交代を行うのかは、あらかじめ了解が取れていて当然だからだ。この試合、引き分けでいい、というビジョンがしっかり確認されていれば、勝ち点1を持って帰れたのではないか?そうすれば、日本は非常に有利になったはずだ。同点にするところまでは、アウェイの試合として非常によかった。前半で1点リードされたのを、後半のいい時間で同点とし、そのまま逃げ切れば、素晴らしい試合運びだったと思えたことだろう。ジーコと選手が次のバーレーン戦までに、そこのところについて話し合うそうだが、「とにかく勝ち点3!」という、考えを放棄したようなノリにならないことを願う。バーレーン戦では、試合に対するビジョンが伝わってくる勝ち方を期待したい。