怪奇現象

寝ようと思ったら、愛用のモロッコ・スリッパが片方消えている。そんなバカな!つい先ほどまで履いていたはずなのに、影も形もない……部屋中を探し回るが見つからない。ごく小さなものが消えたのではない。消えたのは、Lサイズのモロッコ・スリッパである。無意識のうちにどこかにしまってしまったのか?しかし、片方である!30分は探した。結局、仕事部屋の本棚の隙間にはまり込んでいたのだが、どうにも解せない。スリッパを片方しか履かずに歩いて、気づかないなんてことはあるだろうか?たしかに、寒がりの私はそのとき、ルネ氏にいただいたダウン素材の超防寒オーバーソックスを履いてはいた。それを履くとスリッパを履いている感覚はかなり薄れる。だから、仕事机から立ち上がるときにシュッと脱げて、スルッと本棚の下に潜り込んだのに気づかなかったとでもいうのか?しかし、自分はそんなにボンヤリ生きているだろうか……真冬の怪奇現象ということにしておくことにする。