today

suzukatz2009-12-28

off。『This Is It』をようやく見る。マイケル・ジャクソンはものすごい、という当たり前のことに気づける作品。あまりにも無駄な情報ばかりが蔓延し、逆にマイケルを見失わせることになってしまっていた。なんと美しいフォルムをしている体だろう。そして繊細な声。意志の強さと繊細な気遣い。ディスコミュニケーションの欠片も感じられない。この作品は、「最終的にマイケル・ジャクソンは死ぬ」という壮絶なドラマを内包している。そこへ向かって編集すれば、観る人間がみんな泣くようなものにできたはずだ。それをあえてせず、断片的なエピソードのように繋いでいるのは、時間的な制約などもあったのだろうが、結果的に"マイケル・ジャクソンはものすごい"という結論を導き出す一番の近道だったような気がする。個人的には、ジョン・レノン「IMAZINE」のようにきっちり編集されたものの方が好みではあるが、『This Is It』に関してはこれでいいのだと思った。リハのマイケルをこれだけ見られることは、まずないはずだからだ。リハや練習を見るのは、個人的に最も興味深いことだ。だが、ほとんど場合、その機会はまずない。自分も公開稽古はほとんどやらない。だから、ある1日のリハをただ記録しただけのドキュメンタリーを見たいと思った。自分もそのリハの現場にいて、ただ見ていたかったということだ。もはや実現不可能なことではあるが、完成したライヴをジョナサン・『Stop Making Sense』・デミに撮ってほしかった。