[memo]
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[books]天国の五人/ミッチ・アルボム(小田島則子/恒志:訳)/NHK出版天国の五人
小田島恒志さんからの贈呈本。ミッチ・アルボムは、「モリー先生との火曜日」という全世界で、600万部を売ったベストセラー作家。

「生と死をつかさどるのは」彼は言った。「公平さじゃない。もしそうだったら、いい人は絶対早死にしないってことになる」

「無駄な人生なんてひとつもない」ブルーマンは言った。「唯一無駄があるとしたら、自分をひとりぼっちだと考えている時間くらいだ」

捕虜の身から解かれた兵士はたけり狂っていることが多い。夜も昼も奪われ、苦痛と屈辱をなめさせられーー帳尻を合わせるためには容赦なき復讐あるのみ。

「死ぬことだって、すべての終わりってわけじゃない。普通みんなそう思っているが。現世でのことは単なる始まりにすぎないってのに」
エディは戸惑いを見せた。
「聖書にあるアダムとイヴの物語といっしょだ」大尉は言った。「アダムの地上での第一夜。眠りにつこうと横たわったとき、彼は何もかも終わりだと思う、だろ?彼は眠りが何かを知らなかった。だから、目を閉じ、これで自分はこの世とおさらばだと思った。
だが、そうじゃなかった。翌朝目覚めると、これから過ごす真新しい世界があった。しかも、彼が手に入れたのはそれだけじゃない、
彼は、自分の過去も手に入れたんだ」
大尉はニヤリと笑った。「私はそう考えている。ここで手に入れるものはそれだ。それが天国というところだ。自分の過去を理解するところ」

親は誰でもみな自分の子供を傷つける。それは避けられない。子供は新品のガラスと同じで、それを手にした人の指紋がつく。汚れがつくだけのこともあれば、欠けることもあれば、場合によっては修復不可能なまでに粉砕し尽くされることもある。

親が子供を手放すことはめったにない、だから、子供のほうから親を突き放す。子供は前へ進んでいく。どんどん離れていく。

「これだけは覚えていて。憎しみは毒よ。あなたを内側から蝕んでいくわ。憎しみこそ、自分を傷つけた人に対する格好の武器だって思ってる人が多いけど、憎しみの刃は湾曲しているの。人を傷つけようとすると、自分を傷つけることになる。
許すのよ、エドワード。許してあげて。天国に着いたとき、からだが軽く感じたでしょ?」

父親に対する憎しみ(誤解)、戦争で子供を救えなかったことの後悔、妻に先立たれたことの虚しさ……自分の人生に意味を見つけだせなかった老人(エディ)が、天国で会う5人と話しているうちに、自分の人生も意味がなかったわけじゃないと気づき、本当の意味で昇天していく、って話。
東洋的には、死んでも生まれ変わるんだけど、キリスト教では天国で永遠の命を与えられちゃうから大変だ。飽きたっていっても、ずっと自分を続けなきゃならないんだから。ま、死んだらおしまい、って考え方が一番つまらないのは言うまでもないが。