新ローマ法王にラツィンガー枢機卿

ベネディクト16世ヨハネ・パウロ2世の一番の側近で、現在78歳。つなぎ役と考えられている。保守派らしい。

ヨハネ・パウロ2世は教義面では保守派で知られ、枢機卿や側近らを保守派で固めた。避妊具の使用や体外受精、妊娠中絶、尊厳死など、生命の誕生と死に人間が介入することを禁じた。新法王は科学技術が進歩する現実社会と宗教の折り合いをどうつけるのか、という問題に直面する。

とはいうものの、現実社会にも保守派の考え方を基準に生きている人々も多数存在する。社会の変化に応じて変化は必要だが、たとえば"生命の誕生と死に人間が介入すること"というのは非常に重い問題だ。他派、異教の存在を認め、コミュニケーションを取りながら、互いを尊重し合うことができれば一番いいのだが、それこそ現実的にはそうはいかない。それは聖書が明らかに示している。だからこそ、カトリックカトリックで、そう簡単に現実に合った方針に移行したりしないで、カトリック信者の価値観を代表し続けなければいけないのではないか。たとえそれが、進歩的な人々にとって、古くさいものだったり、合理的でなかったり、現実的でなかったとしてもだ。それに、大多数の人間は教義を守らない。都合のいいように、現実的に対応するものだ。だからこそ罪深いのだし、救いを求める。