現代彫刻美術館

地図を見ていたら、近所に"現代彫刻美術館"なるものが存在するようなので、散歩を兼ねて様子を見に行った。着いてまず驚かされるのは、住宅地の駐車場のようなスペースにいきなり妙な裸体像が無造作に置かれている。隣接する民家の玄関や窓は丸見えのスペースだ。「お願い」を読むと、

美術館の周囲には、住宅が隣接しています。大声で会話したり、立木の外をのぞいたりしないよう注意してください。

と記されている。民家の間を抜けるともう1カ所同じようなスペースがあり、ここからは眺望的にはかなりいい。だが、これだけ?ってなのが正直な感想だった。アベックが2組いた。戻って案内板をもう一度よく見ると、ここは「野外展示場3」となっている。そして美術館の施設地図を見ると、民家の間を抜けて行くと野外展示場1,2、そして美術館、さらには"彫塑研究所"なる附帯施設まで存在するようだ。どうやらメインはそちらにあるらしい。民家の間の細い路地を抜けていく。路地に面した近隣の塀の上にも、何やら小さい塑像の連なりが展示(?)されている。中目黒彫刻の路地か?美術館では、個展(下川昭宣展)が開かれていた。さして興味をそそるようなものではなかった。入館料は無料。他には誰もおらず、少々不気味な雰囲気が醸し出されていた。館外に出て、野外展示場1,2へと向かう。ここはすごい。気味の悪い裸の女像が建ち並ぶ。首だけ、胴体だけ、少女、組んずほぐれつの団体……手を差し出す女の像と握手してみたが、なんとも言えぬ気味の悪さがあった。一人で回転する石のベンチに腰掛け、サークル状に並べられた女像を見ていると、どこか別世界に連れ去られそうな気分になる。なぜ、こんな町中に……だが、ちょいとおすすめのスポットではある。

現代彫刻美術館は、宗教法人長泉院の教化事業の一環として企画されました。

長泉院は、怪しい宗教団体ではなく、由緒正しい浄土宗のお寺である。しかし、どうして現代彫刻なのかは謎である。