地球最後の日/アース・ウインド&ファイアー

地球最後の日
1972年作品。『太陽神』のように洗練されていない。ゆえに大ヒットアルバムになることはなかったCBS移籍第1弾。EW&Fはこれ以前にワーナーからすでに2枚のアルバムを発表しているが、『太陽神』へ向かうスーパーバンドのスタートはここからだったと言える。『太陽神』以降、ディスコ・バンド化が急激に進むが、ここにあるソウルとジャズとアフリカとファンクとR&B、さらにゴスペル、カントリーまでもが混ざり合った音楽こそ、マイルスを師と仰ぐモーリス・ホワイトが作りたかった音楽なのではないか。非常に乱雑にいろいろなタイプの音楽が並べられている。その整理されていなさが、とても可能性を感じさせる。そして、その可能性がエネルギーであり、パワーなのではないだろうか。完成度という意味では『太陽神』が頂点ではあろうが、個人的にはこういう未完成な作品の方が好きだったりもする。ちなみに、EW&Fの頂点は『灼熱の饗宴』だったのではないか、と思っているが。