影の現象学/河合隼雄/講談社学術文庫

影の現象学 (講談社学術文庫)
新幹線読書。

これは名著である。

遠藤周作の解説の書き出しだ。たしかに、"影"の存在を意識するだけで、生き方が変わるかもしれない。ただ、それを自分としてはこれまで、芝居を"書く"ことでやってきたような気もする。多重な自分を感じるのは、心の構造そのものがそうなっているからであり、"影"は創造にも力を与える。同時に、"見る"作業においても、"影"の存在を意識することは、非常に重要であることもわかった。なぜ同じ台詞でも演者が変わると違ったイメージになるのか?その秘密は、"影"にあったりもするのだ。