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「009」に続いて、「デビルマン」を再読。手塚治虫チルドレンの石ノ森章太郎が、後期「009」で"神"の問題に踏み込みながら、どうしても描き切れなかったのに対して、永井豪はあっさりと悪魔の視点に立ち、人類を滅亡させてしまう。永井豪は、ストーリーの行…
新幹線に乗るに当たって、品川駅構内で購入。昨日、"ジャックのインテル報告書"で目にしたからだ。発売日に買った本なんて滅多にない。それほど読みたかったというわけではないが、読んでみて納得。これは全然シリアスな内容ではない。はっきりいってジョー…
今なぜかカミュ。中学生のとき、この「異邦人」を読んで、学年担任であったイエズス会の神父に「やめなさい」と注意された。タイトルと新潮文庫のカバーデザイン(当時のメタリック・シルバーのやつ)が気に入って、読み始めただけだったのに。それが元で、…
ときどき、山形を読みたくなる。一般的には傲慢な文章で有名なのに。どうしてなんだろう?妙な感じ方なのだが、読んでいて未来に希望が持てたりするのだ。山形は、根っこでは人間に対してとても楽観的なのかもしれないと思ったりもする。騙されないように気…
こちらも、今頃読んだ。映画の評判はさっぱり聞かなかったし、どうやってハンニバル・レクターが誕生したかには、それほど興味なかった。"怪物"は"怪物"でいいような気もするし。それでも、読み進めていくうちに、トマス・ハリスのストーリーテリングのうま…
過去の"memo"を調べてみたら、2年前の今ごろ読み始めていたのだった。それを中途でほったらかしにしていたのだが、ようやく読み終えることができた。いかに自分がジョン・サイドからばかりビートルズを見てきたのかがよくわかる。何事も多角的に見ないと本…
「ノー・マンズ・ランド」のパンフレットに、是非にとお願いして木村さんのインタビューを掲載させていただいた。とにかく、これを読めば「ノー・マンズ・ランド」をより深く理解することができる。もちろん、サッカーファンには必読の書である。それにして…
キリスト教徒でもある新渡戸が、どうやって西洋思想・宗教と折り合っていったのか。そこの部分が興味深い。何によって自分を律するか?宗教でも思想でも本能でもいいから、そういうものは持った方がいいに違いない。
「酔って候」「きつね馬」「伊達の黒船」「肥前の妖怪」の4編収録。それぞれ、土佐の山内容堂、薩摩の島津久光、伊予宇和島の伊達宗城、肥前の鍋島閑叟(かんそう)の小伝。それぞれ同時代のことを扱ったものなので、たがいにリンクしている。「酔って候」…
漠然とではあるが、"気"とはなんであるかがわかるような気になる。
「ネイティブはいかにして英語を身に付けるか」ということを知りたかったのだが、そこに触れているのは、全体の1/10。あとは、いわゆる例文集。
なんだかすごい。風邪に対する処方が、具体的であればあるほどインチキ臭く感じるのだが、それがすごい。人間の生命力、自然治癒力の深さ。こういうあり方は、とても日本的でいい。
インチキとか偽物(贋物)とかが、どうしても好きなのだが、種村季弘レベルまでいけば、これはもう立派な学問の世界。権威嫌いなんだろうな。
道の手帖 武満徹 没後10年・鳴り響く音楽/河出書房新社 高校生の頃、友人に勧められて武満の"本"を読んだ。音楽よりも先に、文章に触れたわけだ。そして、のめり込んだ。「ノヴェンバー・ステップス」を買って、聴いて、いきなり熟睡した記憶がある。それで…
やっぱりジャズはマイルス、という思いが強くなる。マイルスの周辺に、ジャズのすべてがあったような気さえする。そして、マイルスとともにジャズは"現在"から遠くなっていったのかも。
半分は、過去のスーパーフリーキックのご紹介。あとの半分が科学的に検証した、トッププレーヤーのキックのメカニズム。ゴールから30mくらいの地点で、壁を越えて枠内にボールを蹴ろうとするならば、12度〜30度の角度で蹴り出せばよいらしい。意外とアバウ…
娯楽としての読書と仕事としての読書は違うもの。仕事として読書するということは、こういうことかもしれない。要は、読む主体としての本人が、これは仕事なのか楽しみなのか、きっちり分かっていればいいということだ。しかし、仕事のつもりで読み出したの…
選者が誰によるかで、名盤もずいぶんと違ったものになる。というのも、"ロック"ってジャンルが広すぎるんだと思うけど。だいたい、CD屋だって、もっと細分化して売ってるっていうのにな。やはり、リスナーは自分なりの名盤リストを持てばいいということなの…
12/17に川西町へ行ったとき、帰りの新幹線で読む本を持っていかなかったので、川西町フレンドリープラザの図書館の放出本の中からいただいてきた。寒さに滅法弱い私としては、植村さんは異星人のようにさえ思える。だからこそ教えられることも多い。ただ、植…
2000年、モウリーニョがバルサのアシスタントコーチを辞めて、ベンフィカの監督になったところから、2003年、チェルシーの監督になることを決意するまでの4年間を、モウリーニョ自身の言葉を織り交ぜながらたどる。モウリーニョのポルトガル時代が明らかに…
1977年初版。ユングを基本にして、無意識とは何かのわかりやすい解説。だが、それだけではない。第5章の「自己実現の過程」は、全文覚えておきたいほど刺激的だ。
20世紀を代表する音楽家を時代登場順に、基本的に2ページを使って解説し、音楽の歴史、現状を示そうとする試み。これくらいの知識はあった方が、いいかもなあ。このシリーズはきっとそういう主旨なのであろう。でも、広く浅い知識って、なんなんだろう?個…
乃木希典についての考察、「要塞」と「腹を切ること」の二編が収録されている。陽明学という宗教……知行合一。結果は重要視しない。行動がすべて。三島由紀夫で見知ったことだ。一時は憧れそうにもなった。でも、そうはならなかった。それは、司馬遼太郎が指…
う〜ん、あまりお薦めできないなあ。取材方法、資料分析にかなり疑問を感じる。訳注で明らかな間違いもいくつか指摘されているし。「ホワイト・アルバム」に目をつけたのはいいのだけど。明らかに孫引きだったり、著者の推測、憶測だったりして、"ネイキッド…
いやはや本当にもう、ライダーズは"日本最長寿ロック・バンド"であるのだった。
吉本隆明の本を読んでいたのは、20代までだったか?とにかくものすごく久しぶりの感じ。まあ、吉本の本を読むというよりは、親鸞について読みたかったのだが。それが読み始めてびっくり。なんとまあ平易な言葉で書かれていることか。 現代にも、知識を自慢す…
情報の氾濫によって、風土が乱れた。均質化された社会はあまり面白くない。だが、これから先は、均質化の中にいかに差異を発見していくかが重要になる。
「日本沈没」が再び映画化されたことによって、また小松左京が表舞台に帰ってきた。これは、そんな小松の半生が自身の口から語られている。とにかく、そのエネルギーに圧倒される。印象としては、実業家的作家、もしくは、プロデューサー・アーティスト。
1996年5月28日から2003年5月31日までの、産経新聞月1コラムをまとめたもの。基本的に、その月に起きた印象深い事件、現象を取り上げ、それについての考察がなされる。新聞のコラムなので、深い部分にまでは至らないが、河合隼雄の発想、着眼点が示される…
権力についての考察がとても興味深い。また戦車を通じて、太平洋戦争当時の日本の軍隊の愚劣さを浮かび上がらせる。