リユニオン・ライヴ・アット・ロイヤル・アルバート・ホール/クリーム

リユニオン・ライヴ-アット・ロイヤル・アルバート・ホール2005 [DVD]
"リユニオン"かあ……と思っていたのだが、クラプトンが、「同世代には、リユニオンしたくてももうできないバンドが多くなっている。メンバーが死んでいたりするからだ。でも、我々は全員揃うことができる。それは幸運なことだ。だから、もう一度やるべきだと思った」というようなことを言っていたのを聞いて、まあそうかも、と思った。お友だちのジョージが死んで、そんな気持ちにもなるかもしれんよなあ。で、クリームの面々だが、クラプトンは相変わらず元気だが、ジンジャー・ベイカーの変わりなさに驚かされる。まあ、元々ジジイ・キャラではあったが、エマーソン・レイク&パーマーのようにデブになったり、イーグルスのように丸くなったりしてない。インタビューでも、相変わらず、我が儘で自分のことしか考えていないかのようなとがった発言をしてる。クリームがあんなに短命だったほとんどの原因はジンジャー・ベイカーにあったというのは間違いないだろう、と思わせる。それに比べてジャック・ブルースは病み上がりでもあったそうで、かなり老け込んだ。歌わない時は、スツールに腰掛けてベースを弾いていた。しかし、ライブが進むうちにノッてきたようで、声もどんどん出るようになるし、「ローリン・アンド・タンブリン」でのハーモニカを吹きながらの演奏でも息切れを感じない。disk1ラストの「間違いそうだ」は、本当に深い味わいがある。クラプトンには悪いけど、やはり、クリームの曲はジャック・ブルースの歌じゃないとな。演奏のクオリティとしては、37年前のと比べてはっきり落ちているとは思うが、こうして今またクリームがオリジナルメンバーでオリジナル曲を演奏する姿が見ることができて、やはり感動した。ビートルズの次に好きなバンドだし、ジャズにもブルースにも、フリー・ミュージックへも入っていけたのは、クリームを聞いていたからだし。クラプトンが、「ストーミー・マンディ」で凄いソロをかましたあと、マイクに声は入っていないいのだが、ジンジャー・ベイカーが、「おめえは、やっぱすげえな」的なことを言って胸を叩くシーンで、ジーンと来た。なんか、男子校体育会系なノリではあるんだけど。クラプトンが、「全部3人でやらなくちゃならないから、いつものライブの倍はギターを弾かなくちゃならない。サポート・メンバーに頼るわけにはいかないからね。そのために、一番気になったのは、体力が保つかってことだった」と言っていた。最近のクラプトンは、好きになれないんだけど、やっぱり、頼まれもしないのに、自らキツイことをしたがる人種なんだなあ、ということがわかって、ちょっとうれしかった。なお、クリーム・ファンでなかった人にはお薦めしません。