地下室(ザ・ベースメント・テープス)/ボブ・ディラン&ザ・バンド

ブロンド・オン・ブロンド
はあ、なんでか"はまぞう"にも"amazon"にもアルバムジャケットのイメージがないなあ。(画像は『ブロンド・オン・ブロンド』1967年にNYの農家の地下室で録音され、さまざまなブートが出回り、遂に1975年に正式に発表された。言ってみれば練習風景。当時ディランは、『ブロンド・オン・ブロンド』を発表して、ロック界の頂点に君臨していた。それが、バイク事故を起こし、突如、ニューヨークの郊外、ウッドストックで隠遁生活に入った。農家を借り切り、地下室をスタジオにして、のちのザ・バンドのメンバーとセッションをくり返す日々を送っていた。このアルバムは、その記録なのだ。録音されたのは、150曲とも言われ、その中から24曲がこのアルバムには収められている。曲の繋がりもなく、メッセージ性も皆無に近く、ディランの趣味の音楽だ。もし、録音時すぐに発表されていたら、ディランに社会性を求めるリスナー&批評家は大ブーイングだっただろう。音楽以外のいろいろな面で、ビートルズのホワイト・アルバムに似ている。日常に限りなく近い音楽、とでもいったところか。ロビー・ロバートソンの話によると、毎日午後1時に集まって、規則正しく演奏をくり返したらしい。うらやましい日々だ。ちなみに、この地下室のある農家は、壁面をピンク色に塗られており、彼らは"ビッグ・ピンク"と呼んでいた。もちろん、このあと(1968年)発表されるザ・バンドのデビュー・アルバム『ザ・ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』はここで録音されたものである。この『地下室』にも、「怒りの涙」「火の車」のディラン・バージョンが収められている。ザ・バンド・バージョンの原型というわけだ。