ポッピズム/アンディ・ウォーホル、パット・ハケット(高島平吾:訳)/リブロポート

原題は"POPism The Warhol '60s"(1980)。まさに、アンディが語る60年代、ファクトリー周辺で起こったことの実録。共著者のパット・ハケットは、ファクトリーのタイピストのバイトをしていた女性。ファクトリー以降も死の直前まで、アンディの記録係&金銭出納帳係としてアンディに最も近くにい続けた。それにしても、アンディは自分のことを語らない。ただただ記録し、見続ける。自分の替わりに周囲の人間に体験させ、それを自分のものにして作品化してしまう。狙撃事件に関しても、驚くほど人ごとのように記されている。もちろん、狙撃されてからのち、危険な人間を遠ざけ、結果的にそれがファクトリーの終焉に繋がるのだが、生死の境を彷徨ったという希有の経験も、イーディとパーティへ行ったエピソードと同じように語られている。