篠井英介トークライブ

昨年、トークライブをやらせていただいた、代官山・山羊に聞く?で本日は英介さんのトークライブ。
過去に『僕は女方 篠井英介の世界』をお手伝いさせていただいことがあるので、英介さんの女方人生についてはかなり存じ上げている。
そして、ライブの進行も、この本に沿って進行していたので、特に新たな篠井英介を垣間見たというようなことはあまりなかった。
だが、英介さんが"演じる"ことに言及するあたりは、やはりとても興味深かった。
「セリフを入れてしまえば、7割から8割は役はできています。あとは、いかに余計なことをせずに、セリフやストーリーに身を委ねて連れて行ってもらうか、ということなんです」
昨年の『ウエアハウス』の稽古中に、橋爪さんがまったく同じことを若手の俳優に話しているのを思い出した。
演出家としては、「まさにその通り!」と膝を打つところだが、上演台本を書く立場としては、英介さんや橋爪さんをちゃんと連れて行ける本を書けるのだろうか?と俄に不安にもなる。
そこで、つまらんオリジナルを書くより、絶対安心な名作をやるのがよろしい、という保守的な気分も生まれる。
演出家としては、それは保守的といっても正論であって、実際、演出家の自分は基本的に名作を演出することをよしとしている。
だが、「構成」と名乗りながらもオリジナルを書いて、それを英介さんや橋爪さんに演じていただいたときの達成感は、天上界に達するほどである。
1本でも多くそういうものを作りたい、そんなことを帰り道に思ったのであった。
トークライブは真面目に取組めば、かなり面白いことができそうな可能性を秘めている。
『7Doors』が終わったら、英介さんと『欲望という名の電車』について語る会をやりたいと思っております。
それでもう一度、ブランチ=篠井英介を舞台に立たせることにつながるといいなあ、などと思いながら。
僕は女方―篠井英介の世界