UEFA CHAMPIONS LEAGUE Final:バイエルン vs チェルシー

1-1 [ 0-0, 1-1, 0-0, 0-0, 3-4 (PK) ] ミュラードログバ
バイエルンは、ブンデスドルトムントに8ポイントの大差をつけられての2位。
対するチェルシーは、FAカップはどうにか取ったものの、プレミアではかろうじてEL圏内の6位。
その両者がヨーロッパチャンピオンの座を争うのだから、例年に比べて少々テンションは下がる。
おまけに、どちらのクラブも個人的には好きなわけではないのでとても困る。
スポーツはどちらかに肩入れして見てこそ面白いのだ。
ただ競技が好き、というのでは、なかなか感情移入して盛り上がることは難しい。
無理矢理でもどちらかを応援するのがいい。
というわけで、どちらかを応援しようと思って、いろいろ考えてみる。
まず好きな選手は、バイエルンよりもチェルシーのほうに多い。
ドログバ、ツェフの二人は、チームに関係なく大ファンだし、ランパードはジェラードがいなければイングランドで一番のゲームメーカーだと思っているし、マタの渋味も捨てがたい。
だが同時に、嫌いな選手も多いのだ。
キャプテン・テリーをはじめ、カルー、マルダ、ミケルは大嫌いだし、裏切り者トーレスアシュリー・コール、文句言いダヴィ・ルイ......応援する気にまったくなれない。
一方バイエルンはと言うと、とにかくベッケンバウアー時代から、一番嫌いなチームであったと言っても過言でない。
大のギュンター・ネッツアー・ファンなので、ボルシアMG贔屓であって、バイエルンは子供の頃からずっと仇敵なのだ。
監督で決めるのも難しい。
戦術的には、イタリアサッカーをするチェルシーのディ・マティオ(歌舞伎顔)だが、バイエルンハインケスボルシアMGのスーパースターの一人。
バイエルンやレアルの監督で成功を収めているが、子供の頃の思い出はなかなか消せない。
希望を言えばどちらにも負けてほしいのだが、じゃあレアルとバルサの決勝でよかったのかと言われれば、それだけは絶対阻止してほしかったので、この2チームでの決勝はある意味望んだ結果であったのだ。
それに、スペインの2強を倒した功績は十分に賞賛に値するわけで......う〜ん、困った。
とか悩んでいるあいだにキックオフ。
すると、パッと見た目には、リバプールチェルシーが戦っているように見えるではないか。
なので、とりあえずバイエルン・サイドで見ることにした。
予想通りに歌舞伎チェルシーカテナチオで、バイエルンの攻めをひたすら守り抜く戦術。
前半は、バイエルンがボール支配率もシュート数も完全に上回るが、マリオ・ゴメスが決め切れない。
サッカーのスタイルとしては、やはりチェルシーの方が好きなので、気持ちは次第にチェルシー応援に傾く。
後半も展開は大して変わらず1点勝負に。
先に決めたのは、攻め続けたバイエルン
ここ一番に強い、ミュラーが左からのクロスに頭で合わせた。
時間は83分。
ディ・マティオは遅過ぎるとは思ったが、カルーに代えてトーレスを投入。
直後に、ハインケスは得点したミュラーを下げ、 ディフェンダーヴァン・ブイテンを投入し、1点を守り切るメッセージを送る。
一瞬、試合は決まったかと思った。
ほとんどボールデッドがないクリーンな試合だったので、ロスタイムをいれても10分もない。
スタジアムはバイエルンのホームだし、最近のドイツサッカーの隆盛を考えると、バイエルンの優勝でもいいのかな、との考えが頭を過った次の瞬間、ドログバがやった。
う〜ん、凄いストライカーである。
そのまま延長に突入し、どちらも決め切れずにPK戦
PK戦でドイツが負けたのを見たことがなかったので、2008年に続いてまたチェルシーは涙を飲むのかと思ったのだが、ツェフとドログバがそれを覆した。
かなりドラマティックな展開でのチェルシーの優勝だった。
だが、どっちつかずの気持ちで見ていたので、面白い試合ではあったが、今ひとつ興奮できなかった。
やっぱりインテルが蘇ってくれないことには、チャンピオンズリーグも盛り上がれないってことを再認識した次第。
来シーズンは、CLよりELに燃えることになるだろう。