Mr.ゴーン/ウェザー・リポート

Mr.ゴーン
1978年の作品。ジャコの名曲「パンク・ジャズ」をはじめに、名曲が並んでいる。メンバーも当時5年間不動だったザヴィヌル、ショーター、ジャコ、ピーター・アースキンに加えて、スティーヴ・ガッド(d)、トニー・ウィリアムス(d)、マノロ・バドレーナperc./vo.)、モーリス・ホワイト!(vo)、デニース・ウィリアムス(vo)、ジョン・ルシアン(vo)と豪華だ。それなのに、聴いていてどうも力を感じない。散漫な感じがするのだ。もちろん、それがザヴィヌルの特性で、WRの重要な要素であるには違いないが、個人的にはショーター色が濃い方が好みなのだろう。2曲目の「リヴァー・ピープル」では、ショーターは参加していないかのようだ。ジャコのベースは、聴けばもちろんわかるが、ザヴィヌルのポリフォニック・シンセの使いすぎで、何だかボケてしまっている。5年間も同じメンバーでやるのって、ジャズとしてはあんまりいい結果を生まないのかもなあ、などということを考えてしまう。とはいうものの、アルバムとしてのクォリティはもちろん高いのだが。