月の記憶(上・下)/アンドリュー・スミス(鈴木彩織:訳)/ヴィレッヂブックス

月の記憶―アポロ宇宙飛行士たちの「その後」〈上〉 (ヴィレッジブックス)
アポロ計画によって月面に降り立った"ムーンウォーカー"は、全部で12人。そのうちの3人がすでに他界し、現在も生存しているのは9人しかいない。人類史上初めて月面に一歩を記した、ニール・アームストロングの乗り込んだアポロ11号が1969年。アポロ計画は20号まで予定されていたようだが、結局は17号が最後になった。1972年のことだ。すでに34年も前のことだ。人類が月まで行ったことなど、もはや信じられないような話かもしれない。スミスは、9人の"ムーンウォーカー"の現在を追い、インタビューを行い、もしかしたらこの先も現れることない"ムーンウォーカー"の存在を記録しようと試みた。月面を歩いた男たちの人生は、その前後で大きく変わってしまう。それは、月面で何かを"見た"のではなく、あくまで彼らを取り巻く環境の変化のように思えた。それをスミスは、ロックミュージシャンと比較することによって描き出している。