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suzukatz2011-02-15

リバプールからロンドンへ移動。いよいよ帰国が近づいてきた感あり。ホテルで朝食をしっかり取り、昼食は移動車内で軽食ですますことにする。
ライムストリート駅まで歩く。今朝も雨。傘をさしている人はやはりほとんど見かけない。イギリス人は日本人より体温が高いという話を聞いたことがあるが、何か関係があるのだろうか?雨に対する認識の問題だのだろうか?逆に、なぜ日本人は雨に濡れるのを嫌うのか?レインコートと帽子があれば、それほど雨は気にならないのだろうか?ところで、今回、サッカー観戦に際して、もしもの雨に備えて、全身を覆うポンチョ系雨具を持っていったのだが、サンシーロアンフィールドもしっかり屋根があって、出番はなかった。多分、先日見た限りでは、エミレーツも必要ないだろう。雨の日に自転車乗るようなことになったら使うか。
少々早く着いたので、Upper Crustでカフェラテを飲みながら時間を潰す。Upper CrustとCostaは駅によくあるスタバ的カフェだが、基本的にCostaの方が混んでいる。何か違いがあるのだろうが、よくわからない。乗車前に駅の有料トイレを使用。今回の旅行で、有料トイレは結構利用した。イタリアでもイングランドでも、日本円にして50円くらいで利用出来る。基本的には、スタジアムや美術館のトイレを利用していたが、駅など街中では日本のように清潔な公衆トイレの数は少ない。ミラノではブックショップやデパートなどにもあったが、冬場にトイレ問題は重要。その点、駅に行けば有料でもある程度清潔で安全なトイレがあるのは助かった。
来たときと同じように、11:48発のVirgin Exp.でロンドンへ。来るときに、スタンダードの乗車券ではAVAILABLEの表示のある席にすわっていいことを学んだのだが、座席表示を見るとRESERVEDか表示なしのどちらかである。無論、表示なしはAVAILABLEであろうと推測できるわけだが、一応、表示なしにすわっているオバチャンに聞いてみる。「ここAVAILABLEですかね?」「確信はないけど、私はそうだと思っている。そうだと思ってここにすわっている」という返事。なので、すわることにした。しばらくするとAVAILABLEが点灯。ちょっと遅いのである。
iPod touchでゲームをしていたら、あっという間にロンドン、ユーストン駅に到着。
ロンドンは相変わらず忙しそうに動いている。日本にいて自分が見てきた外国人は、基本的にセレブな人々である。うらやましい人々がほとんどである。サッカープレーヤーも、ミュージシャンも、アーティストもほとんどが成功者である。だが、こうして現地に立ってみると、見えてくるのは生活者ばかりである。うらやましいことばかりではない。質素だったり、生真面目だったり、実直な生活者である。地道に暮らすことが何より重要な人々なのだ。彼らのほとんどは、日本に来ることもない。
ユーストン駅からユーストン・スクエア駅まで歩いて、そこから地下鉄でパディントンへ。先週とは違うロイヤル・パーク・ホテル(The Royal Park Hotel)に投宿。チェックインのとき、クロークの女性が何を言っているのか、急に聞き取れなくなる。お決まり事を言ったのだとは思うが、これまでのホテルといろいろアプローチが違って、こういうことを言うだろうという予想が外れると、急に聞き取れなくなるのだった。少々慌てる。日本で、もっと英語をたくさん聞く必要があるなあ、と思う。ホテルは、古い建物で由緒正しきといった趣がある。実際外側では改修工事が行われているところもあった。部屋の窓も二重ではなく、カーテンが布団並みの暑さ。ムードはいいのだが、多分壁も薄く、廊下の声、階上の足音などが結構響いた。帰国が迫っているせいか、日本の自宅でリラックスしたいという気分になる。何日かおきにスーツケースを引いて移動する暮らしは、自分には向いていない。この部屋に1〜2年でも"住む"のであれば問題ないのかもしれないが。自分は"旅人"ではないのだと実感。
とは言っても観光客である。ロンドン散策とお買い物に出る。日本にいてもほとんどのブランドは手に入るわけだし、個人的にはブランドには何の興味もないのだが、妻がお気に入りの財布がボロってきたのだが、そのブランドが日本から撤退していたので、この機会に買い行くというのである。ホテルからパディントンとは反対側のランカスター・ゲイト駅へ行って、地下鉄でトットナム・コート・ロードへ。降りてみると、駅前が大工事中で、地図がさっぱり役に立たない。しかも、大英博物館と目的地の位置を勘違いしたため、地図を持って彷徨う。すると、気のいいじいさんが「お迷いですかな?」と声をかけてくれた。地図を広げて、今どこにいるかを教えていただき、目的地までの道順も説明していただく。どうにか店にたどり着き、妻は財布と傘を購入。いくつか劇場を外から眺めたが、仕事モードは髪の毛ほども喚起されず。それにしても、ローマでもミラノでもロンドンでもリバプールでも、「We Will Rock You」はやっているようだ。クイーンの底力を感じる。
ホテルに戻り、なんとなくこの旅のことを思い返したりする。
再びミラノを訪れてインテルの試合を生観戦するには、また飛行機に13時間乗ってくるわけだが、それでもまた見たい思いはある。だが、インテリスタになるためには、やっぱりミラノに住まなければダメだ。リバプールでもそれは感じた。サッカーは彼らの生活の一部なのだ。スタジアムは心の拠り所、まさに"HOME"なのだ。それに比べて、自分はあくまでvisitorであり、外部の人間であると感じた。フリューゲルスがあったころ、自分もひとりで自転車に乗って横浜国際に通ったものである。ひとりで応援に行って、声出して、試合が終わったらとっと帰る。まさにあんな風にインテルと関わってこそ、インテリスタであるのだ。サッカーは生活の一部になって初めてリアリティを持てる。テレビ観戦だけでは、やはりヴァーチャルなのだ。この先もインテルを応援し続ける。だが、ミラノに住んで、生活の一部としてジュゼッペ・メアッツァサンシーロ)に通わないかぎり、インテリスタとはならない。
スタジアムは生活者のものだ。きっとカンプ・ノウなどでも同じであろう。本来スタジアムに観光客のシートなどないのである。クラブの世界戦略とそれを煽るマスコミによって、スタジアムのシートは全世界に開かれているような幻想を抱かせるが、実際はそうではない。長友のことしか知らない客は、サンシーロのシートにすわってはいけないのだ。外部者がスタジアムのシートにすわるには、それなりの禊が必要なのだ。少なくとも現在のチーム、クラブの歴史は勉強して、できることなら5年くらいはテレビでもネットであっても、そのクラブの試合の半分以上は見てからじゃないと、一番後ろの席にすわるのも許されない、くらいの謙虚さが必要なのだ、と感じた。金を払えば見られる、という感覚ではいけない。

・Hard Days Night Hotel→Limestreet St.:walk
・Limestreet→Euston:Virgin Exp
・Euston→ Euston Square:walk
・Euston Square→Paddington:tube
Paddington→The Royal Park Hotel:walk
・The Royal Park Hotel→Lancaster Gate:walk
・Lancaster Gate→Tottenham Court Road:tube
・Tottenham Court Road→Cambridge Circus→Seven Dials(Orla Kiely)→Cambridge Circus→Tottenham Court Road:walk
・Tottenham Court Road→Paddington:tube
Paddington→The Royal Park Hotel:walk

ロナウド引退