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ニューヨーク・タイムズのサイトで、今回の被災地の画像を200枚ほど見る。日本の報道では絶対に見ることができない、生々しい写真が次々と現れる。はっきり言えば「死体」だ。それを見ると、「死者/行方不明者=1万人以上」といった数字が、いきなりリアルなものとして感じられる。だからといって、リアルな現実を次々と隠さず報道しろというのではない。しかし、数字で見ているかぎり、相当の想像力を使わない限り、そこに本来存在する感情は伝わってこない。そこにこそ芸術家や表現者のやるべきことがあるのではないか。現段階では、正確な数字、情報が第一である。だが、見えないもの、マスに埋もれてしまうマイノリティを、想像力をもって可視化、具現化して、物語として主観的な歴史に刻み付けることは必要だ。